――ある日の出来事でした。 「うわぁぁぁぁぁあああ!!」 聞きなれた相棒の声の絶叫でキノは起こされた。 まだ日の出前だ。 ボクより早くに起きるとは珍しいなと思いつつ 何が起きたのかさっぱりわからずまだ覚めきっていない目で声の出所を見た。 「何だい。エルメス…ってええ!?」 人間になった話 「おっどろいたー。」 キノが目を丸くしてどう言うとキノの前に座っている少年がコクリと頷く。 自分も。という意味だろう。 少年は質素な服装だった。はっきり言うとキノと並んでいると変な組み合わせだ。 「ほんとほんと。何か目がさめて自分の体を見たらこんな状態。何が起きたかさっぱり。」 「でも君はエルメスであってるんだね?」 キノが念を押すように強調してたずねると エルメスと呼ばれた少年はコクリと頷いた。 「で…どうしてこんな事になったんだ…。」 「さあ?人間になれたのは嬉しいけどー何かあんまいい感じじゃないねー。」 「そんなこと言ってる場合じゃないと思うよ?エルメス。」 キノが呆れたようにそう言った。 「まあ、そうだけどさー。現実は受け止めなくちゃね。」 「お気楽だねー。エルメスは。」 「キノが深刻すぎるんだよ。ほらっ待てばワイロのみよりありって言うでしょ?」 「……待てば海路の日和あり?」 「そうそれ。」 「人間になっても間違えるのは変わらないか…。」 「ん?何か言った?」 「ううん。何にも。でもねー。我慢して待てば戻るとでも言うのかい?」 「そうじゃないの?」 「……あてにならないな。」 はあっとため息をついてキノがそういうとエルメスは眉間にしわを寄せた。 「むっ。非道いなーキノー。でもどうしよもないでしょ?」 「まあ、それはそうだけど…。」 「でしょ?」 すると二人は黙り込んだ。 「さて今後どうしようか?」 「どうするも何も…荷物持ちきれないしねー。」 「歩いていくにも次の国に何日かかるかわからないし…。」 「いっそ、此処で暮らしちゃう?キノ。」 「それはー…やだな。」 「そういうと思った。」 「じゃあ、エルメスはどうなんだよ?」 「ハッキリ言ってやだよ。」 そういうと二人はまた黙り込んだ。 「……。」 「……。」 「ひとまずご飯にしよう。」 「腹が鳴っては衣服は着れぬって言うしねー。」 「……腹が減っては戦は出来ぬ?」 「そうそれー。でも別に戦うわけじゃないけどねー。」 キノは荷物から二人分の携帯食料を出した。 一人分をエルメスに渡す。 「おおーっ。これがいつもキノが食べてる携帯食料。」 「そんな感動することじゃないと思うよ。」 「いやー食べたこと無いからさぁ、一度食べてみたかったんだよねー。」 「あんまり美味しくないと思うよ。」 「それでも良いよ、何か食べてみたかったんだよねー。 あっじゃあさ、これでもう燃料代は要らないんだよねキノ!?」 「そうれはそうだなー。」 「はあーでもこれでもうやりたいこと沢山出来るじゃん!! 今まで動けないし、食べ物食べれないし、見学したいのに出来なかったときあったし。」 「でも…食事代が二人分か…。」 キノが困ったように呟いた。 「キノー。携帯食料もう一個ちょうだい。」 エルメスが不満そうに言った。 「え?」 「何かお腹がふくれないんだよー。それとも何かそんな感覚感じたこと無いからかなー?」 「でもこれ以上食べたら今後困るよ。今は我慢して。」 「えー!?」 「ダメだ。」 「ちょーだいっ!!」 「ダメ。」 「良いじゃん。一個や二個ぐらい。」 「だめって言ったらダメだ。」 「キ―――ノ―――!!」 今にもくいかかってきそうなのでキノはとりあえず逃げることにした。 猛ダッシュで走り出すとエルメスはやはり追いかけてきた。 「キ―――ノ―――!!」 勘弁して欲しいとキノは思った。 「キ―――ノ―――!!」 こんな日々をこれから送らなくちゃいけないのかと思った。 「それは…やだな…。」 「キノってば!!!」 絶叫交じりのエルメスの声がすぐ近くで聞こえてきた。 驚いて飛び起きた。 「あれ…??」 キノは自分の目を疑った。 まず自分の状態を見る。 寝袋で寝ていた。 そしてエルメスを見る。 当然モトラドだった。 「あれ?」 キノが首をかしげた。 「もおー。キノってば全然起きないんだもん。それにうなされてた。」 さっきのは夢だったらしい。 良かったと静かにキノは胸をなでおろした。 「それにしても珍しいじゃないか。エルメスがボクより早くに起きてるなんて。」 「それはこっちの台詞だよーキノ。」 「え?」 「え?ってキノ、もうお昼だよ。どうしたのさ?」 キノはそれを聞いて空を見上げる。 大きく広がっている青空の上に太陽が輝いていた。 「ほんとだ…。」 キノがそう呟くと 「ほんとだ…じゃないよー。キノ。どうしたのさ?さっきなんか『それは…やだな…』なんて寝言まで呟くしさ。 珍しいよねーキノが寝言呟くなんてさー。一体どんな夢見たのさ?」 「うーん…。」 話すべきかどうか悩んだが 「実はね…。」 そう語り始めた。 ―やっぱりエルメスはそのままが良いな。 そうキノが思った事はエルメスに言わなかった。 ++アトガキ++ これは別館で888番を取った順サマリクエストのエルメスの擬人化小説です。 すっごく微妙な内容でごめんなさいorz コレしか思いつきませんでした(汗 リクエストはいっつもイラストばかりだったので ちょっと良い体験をさせていただいたと思っております。 ちょっとかいてて面白かったですねー。 会話が多すぎてゴメンナサイorz それでわっ リクエスト有難うございましたっ 沙羅双樹
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